緊急事態宣言の再延長を受けて、記者会見する東京都知事の小池百合子。再延長を巡っては首相の菅義偉に先手を取られたとされる。小池は国政復帰を狙っているとの見方が有力だ緊急事態宣言の再延長を受けて、記者会見する東京都知事の小池百合子。再延長を巡っては首相の菅義偉に先手を取られたとされる。小池は国政復帰を狙っているとの見方が有力だ Photo:JIJI

 東京都知事の小池百合子が再び動き始めた。政治手法はワンパターンだが、確実に政治の流れを左右するだけのインパクトを与える。その際、必ずメディアを巧みに利用し、その時々のパートナーを巻き込みながら大状況をつくり出す。しかし、絶え間なく繰り出す“パンチ”の先に小池が何を見据えているのか今もって判然としない。

 首相の菅義偉が今年の1月7日に緊急事態宣言を発令して約2カ月半。この間に延長が2回。全てに小池の動きが深く影響しているといっていい。暮れも押し詰まった昨年の12月30日、小池は臨時記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染症対策で一石を投じた。

「かつてない大きさの第3波が襲ってきている」

 菅に対して緊急事態宣言の発令を促したのだった。翌31日、東京都の感染者数は初めて4桁の1337人を記録したが、菅が動く気配はなかった。ここから小池はメディアを駆使して菅にプレッシャーをかけていく。都庁に出入りする際に報道陣の取材に応じたのだ。

「コロナに年末年始はないと改めて強く申し上げたい」