宣言延長で国→緩和、都→休業継続
質問を嫌がり回答が意味不明な小池知事

 国の内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室が5月7日に発表した「事務連絡」では「劇場、観覧場、映画館、演芸場など」について、「人数上限5000人かつ収容率50%以内の要請」「21時までの営業時間短縮要請」の対象となりました。これが、国による映画館への営業の緩和です。

 一方で都は、同じ5月7日付の「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等」において、なぜか映画館とプラネタリウムだけを、施設規模に応じた休業要請の対象としました。これに関する都の業界団体への説明は、前述のとおり「人流を抑制するための総合的な判断」の一点張りだったというのですから、あきれるほかありません。なぜ他のイベントが開催できて、映画館だけがだめなのでしょうか。

 さらに、首都圏で映画館が休業しているのは都内だけですから、都外の映画館で客が増えてしまうという問題もあります。加えて、都内の映画館の休業によって上映そのものを見送った作品もありますから、他県ではその分、過去の映画を流しているケースもあります。

 そして、俳優さんら映画に関わって来た人々の生活を振り回し、文化活動を犠牲にしてもよいはずがありません。私の地元である墨田区が生んだ江戸時代の絵師・葛飾北斎を描いた「HOKUSAI」も、昨年春から今年5月28日に公開が延期されました。都内では6月1日以降公開予定ですから、どうなるかわかりません。

 小池知事は5月14日の記者会見で、映画館と劇場の違い、そしてこれも国と都で対立した都内の国立美術館、博物館の開館の問題とともに問われ、以下のように述べました。

「まず国の対処方針で分かれているということが1点、そして、無観客で実際(上演などが)可能なのかどうか、それから、協力金の要請が出ているかどうかなど、いろいろな項目がございまして、それらをベースに判断したということであります」

「ですから、国の仕分け、そしてまた協力金、また無観客でできるものか否かといったような点が判断をする際のアイテム(材料)になったということであります」

 一体何が言いたいのか、よくわかりません。

「国の対処方針で分かれている」と言いますが、前述のとおり国は5月7日の事務連絡で、「劇場、観覧場、映画館、演芸場など」について12日以降は時短営業を認めており、都のように映画館を分けて考えてはいません。

 都として独自策を取るにしても、むしろ大阪府のように劇場も映画館も一律に休業要請しているというのなら理解できます。京セラドーム大阪でのプロ野球の試合も、無観客開催です。ですので、都が感染予防の観点から映画館だけを狙い撃ちにする合理的な理由もわかりません。

 この日の会見の動画を見ると、小池知事は質問を受けた際、後ろ手を組んで背中をそらせ、記者をにらみつけています。質問されるのがよほど嫌だったのでしょう。

 劇場と違って映画館は国が協力金を出す方針を示しているという違いはあります。だから映画館は休業してもいいじゃないか、と小池知事は言いたいのかもしれません。

 しかし、多くの飲食店と同様に決して十分な額ではありません。映画館に限らず、多くの業種が協力金の支給の遅さや不公平さを訴えていることから、もっと幅広く支援の手を差し伸べるべきではないかと、私は都議会で小池知事にただしてきました。

 説明責任を果たそうとしない小池知事のメンツや思い付きを理由に、休業や時短営業を強いられている人々の生活が左右されるような事態は、決して許されません。