「大過なく勤めた」中高年社員が転職市場で全く評価されない根本的理由Photo:PIXTA

「失敗しない」という
キャリア上のリスク

 仕事の中で何らかの失敗をしたとしても、反省して原因を分析し、次は同じ失敗が起こらないように対策を立て、改善に結び付けられれば新しい学びを得られます。

 それが新しいプロジェクトや新サービス、新規事業の立ち上げなど大きなチャレンジであれば、たとえ結果としてうまくいかなくても必死に仕事をしている限り、業務の延長線上で志を共にする仲間ができたり、未知の領域での知見が蓄積されたりします。

 つまり、チャレンジをして成功すれば最高ですが、仮に失敗に終わったとしても焼け野原にさんぜんと輝くような宝物が残ります。事業家ではなく会社員としてチャレンジする限り、債務を背負うリスクもありません。

 とはいえ、仕事上で大なり小なり何らかのチャレンジをすることに、躊躇(ちゅうちょ)する人は少なくないと思います。多くの人はわざわざ新しい何かを始めて、失敗などしたくないからです。しかし、チャレンジの回避がキャリア上のリスクになりかねないのは、注意しておく必要があります。