殺鶏嚇猴(ニワトリを殺してサルを脅す=一罰百戒)とは、1人を罰して多くの者をおびえさせるという意味の中国の有名なことわざだ。中国はオーストラリアをニワトリのように扱っており、その最新例が今週スパイ容疑で裁判にかけられる楊恒均(ヤン・ヘンジュン)氏だ。オーストラリアは2018年に、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)とZTEを5G(第5世代通信規格)携帯機器ネットワークから排除したことで中国の怒りを買った。オーストラリア国籍を持つ作家の楊氏は不運なことに、その決定の数カ月後に中国を旅行した。中国当局は2019年1月、国家の安全を脅かしたというあいまいな容疑で彼を拘束した。オーストラリアのマリズ・ペイン外相は先週、中国が「容疑について一切の説明も証拠も提示していない」と述べた。楊氏は2年以上にわたって中国当局に拘束されており、ペイン氏によると、楊氏は「家族と接触できず、法的代理人との接触も制限されているか、遅れている」状況にある。
【社説】中国の人質外交、豪との関係悪化
スパイ容疑で豪作家を裁判に
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