長年にわたり急成長を遂げてきたアリババのクラウドコンピューティング部門がプレシャーにさらされている。業界内の競争激化や政治的問題で、国外のビジネスや国内での政府契約の獲得が難しくなっているためだ。アリババの主要事業である電子商取引(EC)市場で競争が過熱する中、同社の投資家はクラウドコンピューティングを大きな成長源として当てにしてきた。しかし、事情に詳しい複数の関係者によると、クラウド部門のアリババクラウドはここ数カ月に大口顧客とたもとを分かち、一部の中国政府系顧客からは冷たくあしらわれ、組織体制の見直しにも踏み切っている。アリババ・グループ・ホールディングは先週、クラウドコンピューティング部門の1-3月期(第4四半期)売上高が前年同期比37%増となったことを明らかにした。四半期の増収率としては、2014年にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場して以来最も低い。同社は減速の理由について、中国の主要インターネット顧客の国際業務を「製品とは関連のない要件」により失ったためと説明した。
アリババクラウド、勝利の方程式に陰り
業界内の競争激化や政治問題を受けて国内外で契約獲得が困難に
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