新型コロナウイルスの発生源の調査を巡り、米中両政府が大きく対立している。米国は、各国の専門家による独立した調査を改めて実施するよう求めている。一方、中国は25日の世界保健機関(WHO)の年次総会で、自国での調査は終了しており、他国での調査に注力すべきだと述べた。200カ国近くが参加した同総会で示されたこの対立は、今後埋まる可能性が低いとみられる上、こうした対立は、中国から感染拡大が始まったこのウイルスの発生源の調査を巡る政治的緊張を示すものとなっている。WHOがウイルスの発生源の調査で各国専門家によるチームを中国に派遣する際、規則上は中国側の同意が必要だ。WHOは今年に入り、パンデミック(世界的大流行)の起源を把握する一環として1カ月にわたり中国に国際調査団を派遣。だが調査団の活動は、中国政府の研究者が実施した調査のレビューにほぼ制限された。WHO主導の国際調査団は3月に第2弾調査を勧告したが、現時点では開始に至っていない。