足元で米連邦準備制度理事会(FRB)のファシリティー利用が跳ね上がったことは、金融システムがいかに異例の状況にあるかを改めて想起させる。だが、銀行株の投資家にとっては、必ずしも悪い兆候ではなさそうだ。FRBは最近、翌日物リバースレポオペで金融システムから大量の資金を吸い上げている。27日実施分のオペでは、取引額が過去最高の4850億ドル(約53兆2600億円)に上った。リバースレポは、FRBが将来買い戻すことを条件に証券を売却し、カウンターパーティーから現金を受け取る仕組みだ。リバースレポの利用急増に関しては、多くの短期・長期的な要因が指摘されている。だが基本的な考えとしては、金融システムに資金があふれており、短期証券(Tビル)など現金を置いておくための証券が相対的に不足しているという点が挙げられる。
FRBの大量資金吸収、銀行株にはプラス
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