料理宅配アプリ快走、だが黒字化はいつ?Photo:SOPA Images/gettyimages

 料理宅配サービス企業は新型コロナウイルス禍で、記録的な売り上げをたたき出した。多くの米国民が自宅待機を強いられる中で、スマートフォンのアプリで夕食を注文できる手軽さが人気を集めたからだ。企業のバリュエーションは跳ね上がった。入手した大量のデータは効率改善にもつながった。だが、1つだけ問題が残っている。破竹の勢いだった頃でさえ、利益を確保できていないという課題だ。

 コロナ流行が収束へと向かう中、ドアダッシュやウーバーテクノロジーズ、グラブハブなどの料理宅配企業はここにきて、利益をいかに確保するのかという「生きるか死ぬか」の問いに取り組んでいる。

 料理宅配ビジネスはコストのかかる仕事だ。アプリ会社はレストランから注文額の一定割合を受け取り、消費者からはサービス手数料を徴収する。そこから運転手に支払う必要があり、これが最大の費用となっている。

 販促費用や顧客への払い戻しなどの営業費用を差し引くと、ドアダッシュの手に入る利益は、顧客の注文額の平均2.5%だ。ドイツ銀行が分析した。これはつまり、コロナが最も深刻化していた時期の平均注文額およそ36ドル(約4000円)に対して、0.90ドルの利益しか残らない計算になる。

 とても素晴らしいとは言えないが、これでも業界内ではトップだ。ドアダッシュは8年前の創業以来、年間で黒字化を実現したことはないが、四半期ベースでは昨年、一度だけ赤字を脱却。米料理宅配サービス企業で唯一、コロナ禍で黒字化を果たした。