KIT虎ノ門大学院教授・三谷宏治氏の提唱する最強の思考法「重要思考」さえマスターすれば、ロジカルに考え、伝え、聴き、議論することが可能となる。三谷氏の著書『〔新版〕一瞬で大切なことを伝える技術』からの抜粋で、重要思考を使って効率的に「会話や議論」をするための方法を、見ていこう。

「枠」をはめることで
発言・議論は効率的になる

 日本の会議や打ち合わせは、恐ろしく非効率です。

 ある会社での本社ホワイトカラー1000人の時間調査では、労働時間中、25%が会議時間、20%がそのための資料作成時間と出ました。毎日261分、会議とその資料づくりに費やしていたのです。しかも彼・彼女らはその4割(労働時間の18%、1日104分)を「ムダ」と感じていました。今見えている会議のムダをなくすだけで、毎日の残業時間(平均100分)をゼロにできる計算です。

 これは時間のムダというだけでなく、ダイジなことに本来の議論時間を割けないという危険をも生んでいました。

 こういった会議のムダ、暴走を防ぐための議論ルールが次の5つです。

1)プレゼンターは簡潔な文章でまとめ、みなは終わりまで聴く
2)質問する前にみなで3分考える

3)勝手に話さない、ダイジなことからズラさない
4)賛否を示し、「コメント」とかに逃げない
5)決め方を決めておき、雰囲気で決めない