インデックスファンドは手数料の高いアクティブファンドとは違い、パッシブ運用です。つまり、銘柄選別は行いません。アクティブに運用されているファンドでは、ファンドマネジャーがマーケットの指数を上回ろうと独自の判断で投資資産を選びます。インデックスファンドは管理にあまり手間がかからないため、手数料を安く抑えられ、投資家にとってより大きな魅力を提示しているのです。

 手数料、つまり経費率はあなたの資産から一定のパーセンテージが徴収される仕組みです(インデックスファンドにも社会的責任投資の選択肢はあります。一般的な投資信託より手数料は安いですが、ほかのインデックスファンドよりは割高です)。

 最後に、分散投資について考えなければなりません。

 多くのインデックスファンドは手数料が安く、シンプルですが、投資家にはまだ選択すべき要素が残っています。例えば、株式、債券、国内、海外、大型株、中型株、小型株などから資産を組み合わせなければなりません。米国債券インデックスファンドもあれば、海外株式インデックスファンドもあります。

 これらを組み合わせることで、世界の複数のマーケットに分散投資でき、全体的なリスクを抑えることができるのです。

本当にインデックスファンドでいいの?

 多くのFIREムーブメントの著名人がメディアの注目を浴びるようになりました。派手な見出しには「早期リタイアしたい?」「30代前半でリタイアは?」「収入の半分を貯蓄に回せば早期リタイアできる」などといった文字が踊っています。

 これらの見出しにつられて多くの人がクリックすることに驚きはありません。ただ詳しく見てみると、FIREムーブメントの火付け役の多くが私たちが概要を説明してきた投資戦略に従っていることがわかります。

『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』の著者であるジェイエル・コリンズは、娘に送った一連の手紙の中でこの投資アプローチについて説明しています。手紙の中で、彼は次のようにはっきりと述べています。

 人々はお金が好きだが、お金の管理はシンプルにしたいと思っている。彼は父親としてのアドバイスを、「お金にだらしない人は避けよう」「稼いだお金の一部を貯蓄に回そう」など、短く箇条書きでまとめています。さらに単刀直入に、収入よりも少ない金額に支出を抑え、余った資金をバンガードのトータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド(VTSAX)に投資すべきだと娘にアドバイスしています。

 たった1つのファンドです。本当にそんなに簡単でいいのでしょうか?