ネット銀行が使えない人をターゲットに、詐欺メールに書いてある電話番号に電話をかけさせて、コンビニのATMから振り込ませようとするケースもある。岡山市では、事務代行手続き費用として3000円振り込むようにショートメッセージが送られてきた事例も発生している。

「50枚入りマスクの支払い」といったメールがいきなり届くケースもある。マスクをネットで購入した覚えがある人だと、決済していなかったかな? などと考え、間違えて支払ってしまうのだ。

 こうした手口に引っかかる人が多くないことはサイバー犯罪者も重々承知している。しかし、何百万通もの詐欺メールを送信するとしても、作業はクリック一つで、手間はかからない。誰も引っかからなければ、文面を変えてまた送信すればいいだけ。可能性は低くても、ごくごくわずかな人数でも引っかかってくれれば、十分すぎるほどの利益になるのだ。

最新コロナ詐欺事情 「30万円振り込まれた」「ワクチン+注射器が届いた」警視庁が配布している、給付金詐欺の注意喚起パンフレット 写真:柳谷智宣

本当にお金がもらえる「コロナマネーミュール詐欺」

 「お金をあげる」「手軽に大金が稼げる」などと誘ってくるメールのほとんどは詐欺で、逆に個人情報を盗まれたり、お金を奪われたりする。しかし、「コロナマネーミュール」という、本当にお金が振り込まれてくる詐欺もあるから驚きだ。