現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
20万部を突破したベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。
手書きでFAXする国・ニッポン
――世の中ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれていますけど、どう思いますか?
ひろゆき氏:社会のさまざまな仕組みをネット化させる必要性は、2001年頃から盛んに言われてますよ。そして、外国はとうの昔にそれを完了させています。
それなのに、今さらDXの話題が出るのは、日本が遅すぎますよね。とっくにIT化した社会が海外にあるので、そりゃ優秀な人材は流出するのも無理ないですよね…。
――どういうところを見るとヤバイと感じますかね?
ひろゆき氏:このコロナ禍でわかったと思うんですが、医療業界なんかも全然IT化されていませんでしたよね。ITを使えない人が幅を利かせているから日本の生産性が低いんですよ。
たとえば、全国のPCR検査の検査数をFAXで集計しているのが話題になりましたよね。FAXですよ?(笑)。おそらく出版業界も古い体質だと思いますけど、いまだに手書きで紙に書いて、それをFAXで送って、それを目で読んでエクセルに手入力する……っていうことが行われているわけです。
――ITに強い人がいろんな業界にいないんですかね?
ひろゆき氏:ITで優秀な人はIT業界に固まっちゃっていますからね。その人材を高い給料で引っ張ってこられればいいんでしょうが、なかなかできていません。
それに、ITに強い人が入ったら、古いやり方で仕事を囲い込んでいた人がゴッソリ必要なくなりますから。先ほどの例で、FAXを手入力している人は、それこそIT化の煽りを受けると仕事を失うわけじゃないですか。そういう人たちが抵抗勢力として多いんでしょうね。
若者よ、さっさとプログラムを学べ
――日本のIT業界はどうなっていくと思いますか?
ひろゆき氏:他業界と比べると、食っていける可能性は高いと思いますよ。そして、幸か不幸か、日本は英語圏ではないので言語の壁が存在しています。
すると何が起きるかというと、インドの優秀なエンジニアなんかは、どんどんアメリカに流れることになります。アメリカでは海外からの人材流入によって自国の労働者が溢れることになっていんですよね。
その点、日本には残念ながら海外から超優秀なエンジニアが来る可能性は少ないので、競争率は下がりますよね。
――10代にはどういうアドバイスをしますか?
ひろゆき氏:大学で情報学科を出て、プログラムを書けるようになったり、アプリを作れるようになれればいいんじゃないでしょうか。とにかく新卒でもぐりこめればいいと思います。未経験だとなかなかいいIT企業に入るのは難しいので、やはり今の日本にいる限り、新卒カードは大事ですよ。
プログラムの世界はフェアですからね。究極の話、世の中にあるアプリやウェブサイトは、誰でも作ろうと思えば時間とお金をかければ作れますから。若くてIT業界に興味のある人は、PHPやpythonなど、ニーズのあるプログラミング言語を早く習得してみてください。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、20万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。