デンマーク国営石油・天然ガス会社は長年にわたり、他の多くの石油大手と同じく、北海の海底から炭化水素(石油や天然ガス)をくみ上げていた。現在、オーステッドと社名変更した同社は、洋上風力発電の世界最大手だ。時価総額で石油メジャーの米オクシデンタル・ペトロリアムやイタリアのエニを上回る規模となっている。同社は、化石燃料から再生可能エネルギーに軸足を移すことで、小規模なエネルギー会社から大きな成長を遂げた数少ない企業の一つだ。同様の企業にはスペインのイベルドローラやイタリアのエネル、米ネクステラ・エナジーなどがある。今や多くの石油企業が追随しようとする中、オーステッドはこの転身がどれほど厳しい道のりかを示すケーススタディーとなる。同社が成功するためには、政府の介入や何年にもわたる補助金、広く開かれた競争環境が必要だった。株主や取締役会メンバーが戦略転換にたびたび疑問を呈したほか、コストが同社の負債を膨らませ、破綻の瀬戸際までいった。
石油から再生エネ企業に転身、その苦難の道
小さなエネルギー会社が世界最大手の洋上風力企業になるまで
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