男性の育休取得は「月またぎ」がおトク⁉損しないための子育てマネー知識Photo:PIXTA

日本では想定以上のスピードで少子化が進んでいます。政府の経済財政諮問会議では、出産・育児の環境整備を早期に進めるよう提言されました。今後、子育て世帯への支援がさらに拡充される可能性があるでしょう。ただ今回は少し未来のことではなく、今を考えます。今、出産や育児を考えている人は、現状どういった支援制度があるのか知り、もらえるお金や制度をしっかり確認しましょう。(社会保険労務士 井戸美枝)

急速に進む少子化、
お金の問題をクリアにして向き合おう

 今年4月、2021年の出生数が80万人を下回るとの推計が示されました。これまで年間出生数が80万人を切るのは2030年頃と予測されていたのが、10年も前倒しになりそうなのです。早急に出産・育児の環境や制度をより良くしていく必要があるでしょう。

 しかし、今この時点ではどうなっているのか、理解しているでしょうか。うっかり手当をもらい損ねて、損をすることのないように、積極的に情報を取っていく必要があります。

 まず、基本的なことを振り返りましょう。

 出産・育児休業中は、会社に勤めている人であれば、「出産手当金」と「育児休業給付金」を受け取ることができます。詳細は後述しますが、お給料の5割~7割が支給されるイメージです。

 また、あまり知られていないのですが、出産・育児休業中は健康保険や厚生年金といった「社会保険料」が免除されます。社会保険料の免除は、手当金・給付金と比べると地味かもしれません。しかし、皆さん、給与明細に記載されている社会保険料をチェックしてみてください。少なくない金額を支払っているはずです。

 これらの保険料が免除されれば、家計の一助になることは間違いないでしょう。

 なお、育児休業を取得する際は、「月をまたいで取得する」あるいは「ボーナスが支給される前後に取得する」と免除される保険料が多くなります。こちらも詳しい内容は後述しますが、可能であればタイミングを考えて育児休業を取得すると「おトク」になるのです。

 それでは、具体的に見ていきましょう。