緊急事態宣言終了は
オリンピック開催の決意表明
4月25日の東京、大阪、京都、兵庫を皮切りに、1都2府1道6県に出されていた緊急事態宣言は、沖縄を除いて期限の6月20日で終了した。
もっとも宣言が解除されたのは、2カ月近くに及ぶ宣言によって、新型コロナの感染が十分抑えられたからではない。3回目となる緊急事態宣言は、回を重ねるごとに国民の慣れや自粛を嫌がるムードを強めてしまった。また、人の流れを抑える効果は弱まり、感染拡大防止の威力も減じたようだ。
実際、緊急事態宣言が終了する9都道府県のうち、岡山と広島を除く7都道府県では宣言に準じる対策がとれる「まん延防止等重点措置」に移行した。菅首相は、引き続き感染対策に協力してもらうよう記者会見で国民に求めた。
今回の緊急事態宣言の解除は、7月23日から始まる東京オリンピック・パラリンピックを予定通り開催する決意表明と捉えた方がよさそうだ。すでに、外国選手団の来日も始まっており、今さら延期や中止といった判断は、現実的な選択肢ではなくなっていた。今回の宣言解除によって、オリンピック開催は動かせないものとなった。