本を読むことは大切だとよく言われるが、本を読まなくても子どもは成長するし、日常生活には困らない。しかし、『読書をする子は○○がすごい』(日経プレミアシリーズ)の著者・榎本博明氏は、子どもの頃から本を読む習慣を付けることは大きな意味を持つ、さらに幼い頃から豊かな言語環境に触れることが非常に大事だと指摘する。
語彙力と読解力はリンクして発達していく
語彙力と読解力は相互作用しながら発達していく。たとえば、心理学者高橋登が小学生を対象に行った調査でも、読解力は低学年から高学年まで一貫して語彙力によって規定され、また語彙力もそれ以前の時期の読解力によって規定されることが確認されている。
ここから言えるのは、読解力があればどんどん語彙を増やすことができ、語彙が豊富なことが読解力のさらなる向上につながるといった好循環がみられるということである。その意味では、語彙力や読解力を高めることが大切となる。
言語能力の発達に関しては、幼児期から児童期にかけての時期が非常に重要になることがわかっている。