ミシガン州を拠点とする自動車部品メーカー、ジェンテックスで働く従業員。米国の労働者で製造業分野の企業に雇用される比率は現在9%未満と、1980年代初頭の20%を下回るミシガン州を拠点とする自動車部品メーカー、ジェンテックスで働く従業員。米国の労働者で製造業分野の企業に雇用される比率は現在9%未満と、1980年代初頭の20%を下回る Photo:David Kasnic for The Wall Street Journal

 米国では工場労働者の賃金の伸びが極めて鈍い。製造業分野の企業は労働者の確保でファストフード店と競合し、苦戦している。

 ミシガン州西部の状況を見てみよう。この地域は、オフィス家具や自動車部品の工場を多く抱えるほか、旅行業の伸びも顕著だ。ミシガン湖沿いのレストランやホテルは、急速に雇用を拡大している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で行動を自粛していた人々が、旅行を再開したからだ。こうした状況の変化で工場の生産ライン従業員を確保することは一層難しくなっており、労働力需要の伸びに伴って、求人数と離職率が高まっている。