米国ビジネススクール講師である著者が、グローバル人材のための「決算書の読み方」を伝授する本連載。基礎編で学んだ決算書をベースに企業のビジネスモデルを検証していきます。
今回は前回に引き続き、米大手ハンバーガーチェーンのMcDonald’s(マクドナルド)を取り上げたいと思います。
前回の記事では、マクドナルドとスターバックスの決算書を比較して、マクドナルドはスターバックスの約半分の売上高原価率で、5倍超の売上高営業利益率を生み出しているカラクリに触れました。
詳細は、前回の記事『マクドナルドとスタバ、利益率が高いのはどっち?「大差」の理由を解説』に譲りますが、そこにはマクドナルドが採用している「フランチャイズ」という店舗運営が深く関わっていました。今回は、さらにマクドナルドの強さの理由を深掘りしたいと思います。
マクドナルドとは飲食業ではないのか?
以下でマクドナルドのフランチャイズ収入の内訳を見ると、興味深い事実が分かります。
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フランチャイズとは、フランチャイジー(Franchisee、加盟者)がフランチャイザー(Franchiser、本部)にロイヤリティを支払うことで製品開発や販売ノウハウの使用許可を取得し、本部から店舗経営をサポートしてもらえる仕組みです。前回の記事でも触れたように、マクドナルドは全世界ベースで93%もの店舗をフランチャイズで運営しています。
多くの人が、フランチャイズの割合が高ければ高いほど、ロイヤリティ収入の割合が高いと予想してしまいがちです。しかし、現実は異なります。実際にマクドナルドの10K(年次財務報告書)を確認すると、全体のフランチャイズ収入のうち賃料が63%を占めているのです。これは一体、どういうことなのでしょうか。
実は、マクドナルドのフランチャイズ契約には二つのパターンがあるのです。