アマゾン「プライムデー」が象徴する強み、規制の標的にPhoto:Tom Williams/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 米アマゾン・ドット・コムにとって長年、セールイベント「プライムデー」は閑散期の夏場に仕事をつくることだけが目的ではなかった。だが、世に知られた同社の「フライホイール効果」を増幅させるには、今は都合の悪い時期かもしれない。

 アマゾンは21日、20カ国で200万件以上の割引をする2日間にわたる恒例のセールを開始した。昨年は19カ国で100万件超の割引を実施したが、今年はそれを大幅に上回る規模のようだ。ただ、昨年のプライムデーは、新型コロナウイルス感染拡大の対応の一環として、例年の7月中旬から10月に開催期間を変更したため、変則的だったという面もある。アマゾンは通常、プライムデーの売り上げ状況を公表しないが、JPモルガンのダグ・アンマス氏は今年のプライムデーの総売上高について、昨年の推計額を12%上回る84億ドル(約9300億円)と予想している。