写真:TOSHIBAPhoto:Bloomberg/gettyimages

企業統治(ガバナンス)問題を巡って東芝が揺れる中、グループ企業の半導体大手の上場予定が明らかになった。東芝にとっては上場が実現されれば、保有する株式の売却益を株主還元に充てることができ、「物言う株主」とのあつれきを収拾する上で役立つ可能性がある。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

グループ企業のキオクシア
昨秋に流れた上場を「再トライ」へ

 東芝のグループ会社で半導体大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)が、延期していた東京証券取引所への新規株式公開(IPO)を、今年9月にも実施する方向で調整していることが明らかになった。東証は7月にも上場を承認する見通し。複数の関係者が明らかにした。

 キオクシアの上場は元々、昨年10月に予定されており、当初は時価総額2兆円を上回る大型IPO案件と目されていた。ところが、上場予定日の1週間前に急きょ延期される結果に。また延期前にも、公募・売り出し価格の仮条件を上場承認時の想定価格から1~3割引き下げ、1株2800~3500円に改めている。