インドで公式に確認された新型コロナウイルス死者数は39万人余りだが、遺族や医療専門家、統計学者らは、実際にはそれを大幅に上回る犠牲者が出ていると指摘している。死者数の過小集計は、同国で確認されたデルタ株の影響を理解する上でも大きな支障となっている。米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)のディレクター、クリストファー・マレー氏は、新型コロナ感染者数や死者数を正確に把握することが、「新たな変異株の脅威を理解する上で極めて重要な部分」を占めていると述べた。IHMEの試算によれば、インドの新型コロナ死者数は110万人を突破していて、確認されている人数の3倍近くに達している。マレー氏はラテンアメリカやアフリカの一部の国でも、同様に過小集計が行われていると予測。同氏とIHMEは、インドでは十分な検査が行われていないため、全感染者数の3~5%程度しか把握できていないとも述べた。