中国共産党100周年を前に
強まる「言論への抑圧」
中国共産党結党100周年記念式典(7月1日)を数日後に控え、中国国内ではそれに向けた準備、および“周辺事態”が続々と発生している。本稿では、それらを紹介しつつ、「政治の季節」における習近平政権の現在地をあぶりだしていきたい。
まず、前回コラムで扱ったように、6月12日夜から翌日朝にかけて第1回総合リハーサルが行われ、1.4万人が参加した。その後、26日夜から翌日朝にかけて行われた第2回総合リハーサルには3.3万人が参加。入退場から現場のセキュリティーなど全アジェンダをチェックした上で、「組織指揮とサービス保証システムの運行効能を向上させた」(新華社、6月27日)とのことである。これを最後のリハーサルとし、当日の式典に向けて準備を整えていくという。
北京にいる知人によれば、26日は18時頃から各地における地下鉄の駅が封鎖されるなど、市民の移動が一定程度制限された。7月1日の式典前日から当日にかけては、天安門広場を中心に、厳戒な警備が敷かれるのは必至であり、市民の移動や生活も著しく規制される。
ただ、筆者自身も経験があるが、政治の街・北京で暮らす住民はそういう光景や形態に慣れきっている。中国共産党は、定期的に訪れる政治儀式を円満に運営することで、自らの権威を国内外に示し、党の求心力と組織力を強化すると同時に、人民の愛国心や愛党心を高揚させようとする。実際に高揚するかどうかはともかく、人民は「そういうものだ」と無意識のうちに理解を示し、決してそこに歯向かったり、異を唱えたりすることはない。