「伝説の神」と「生物境界線」をたどる

もうひとつの旅を紹介したい。トカラ列島だ。トカラ列島は種子島と奄美大島のあいだに並ぶ島である。

地図をなぞって旅をしようトカラ列島航路は鹿児島港から奄美大島まで429キロメートル。7つの島を経由して16時間20分で結ぶ。
『地図なぞり』より

この島をつなぐ船「フェリーとしま」は週に2回運行している。鹿児島から名瀬(奄美大島)、名瀬から鹿児島、それぞれ週2回だ。

ひとつの島に行って戻ってくれば2泊3日で済むが、2つの島に行くと6泊7日になる計算になる。

地図をなぞって旅をしようわかりにくいかもしれませんが要は「行くのが難しい」ということだけ覚えてください。
地図をなぞって旅をしようユネスコの無形文化遺産にも登録された「来訪神ボゼ」(写真協力:公益社団法人 鹿児島県観光連盟)

この航路にある悪石島には、あの有名な「来訪神ボゼ」がいるし、悪石島と小宝島のあいだには「渡瀬線」と呼ばれる生物の境界線がある。この線を境に住んでいる動物が違うのだ。

線より南がハブ、北がニホンマムシである。大陸から渡ってきた動物と、本州から来た動物が向かい合う見えない線がここにある。

「フェリーとしまの航路」「ボゼ」「生物境界線」「行くとなかなか帰ってこられない」。どれをとってもぞくぞくする魅力にあふれている。

実際に休みをとって行く前に、まずは地図をなぞって旅の疑似体験をしてほしい。

参考:十島村 フェリー情報
http://www.tokara.jp/ferryinfo/ferrytoshima/