「伝説の神」と「生物境界線」をたどる
もうひとつの旅を紹介したい。トカラ列島だ。トカラ列島は種子島と奄美大島のあいだに並ぶ島である。
『地図なぞり』より
この島をつなぐ船「フェリーとしま」は週に2回運行している。鹿児島から名瀬(奄美大島)、名瀬から鹿児島、それぞれ週2回だ。
ひとつの島に行って戻ってくれば2泊3日で済むが、2つの島に行くと6泊7日になる計算になる。
この航路にある悪石島には、あの有名な「来訪神ボゼ」がいるし、悪石島と小宝島のあいだには「渡瀬線」と呼ばれる生物の境界線がある。この線を境に住んでいる動物が違うのだ。
線より南がハブ、北がニホンマムシである。大陸から渡ってきた動物と、本州から来た動物が向かい合う見えない線がここにある。
「フェリーとしまの航路」「ボゼ」「生物境界線」「行くとなかなか帰ってこられない」。どれをとってもぞくぞくする魅力にあふれている。
実際に休みをとって行く前に、まずは地図をなぞって旅の疑似体験をしてほしい。
参考:十島村 フェリー情報
http://www.tokara.jp/ferryinfo/ferrytoshima/