「さいたま市」は埼玉市でなくなぜ平仮名か?Photo:PIXTA

埼玉県の県庁所在地は「さいたま市」となぜか平仮名。「博多市」ではなく「福岡市」である事情も気になる。話題の新刊書『おもしろ雑学 日本地図のすごい読み方』からの抜粋で、日本全国、北から南まで、日本地理の知られざる仰天知識を紹介していく。

「埼玉市」ではなく
わざわざ「さいたま市」になった理由

 埼玉県の現在の県庁所在地は「さいたま市」である。2001(平成13)年、それまでの県庁所在地だった浦和市と、大宮市、与野市の3市が合併して誕生した市名である。2005(平成17)年には隣接する岩槻市も編入し、人口130万人を超える都市となっている。

 ここでふと疑問に浮かぶのが、「埼玉県の県庁所在地なら、埼玉市で良かったのではないか」ということ。なぜ、わざわざひらがな表記にする必要があったのか。実際、合併に際して新しい市名を公募した際、いちばん票数を集めたのは「埼玉市」で、「さいたま市」は次点だった。

 それにもかかわらず「さいたま市」となったのは不思議である。

 理由は「埼玉市」に待ったをかけた市町村があったからだ。それも他県ではなく、同じ埼玉県内から異議が出たのである。