【教訓その4】
官僚は逃げる!

 繰り返すが、本件の重要性に鑑みると、誰が、いつ、何をしたのかについて、事実が明らかにされなければならない。調査の必要性を認めないとする梶山弘志経産大臣の発言は、経産行政の責任者として著しく危機感を欠いている。

 こんなに大事な問題をなぜ調べないのだろうか。それで、大臣が存在する意味があるのか。この大臣は、単に経産省の責任回避のために、振り付け通りにしゃべっているだけの、ネクタイを締めた発声機能付きのぬいぐるみ程度の人物なのだろう。

 このレベルの政治家は与野党を問わず少なくない。次の内閣改造で視界から消える方だろうが、当面不愉快だ。

 一般人が「教訓」として気に留めておくべきなのは、経産省のスタンスだろう。経営に介入し、加えておそらくは相談の上で株主総会対策に関わったとみられる経産省が、問題が発生してみると対外説明の上で全く味方になってくれない。そればかりか、「それは民間の問題だ」と言わんばかりの態度を取っていることだ。

 嫌疑をかけられている東芝の経営陣の個々の人にとっては、行動の背景に経産省との方針の擦り合わせがあったり、経産省の指示や情報提供があったりしたことを明らかにしてもらえたら、「個人としては、やむを得なかった」という言い訳ができて(少しは)気が楽だったろう。ところが現状では、東芝経営陣が対外的な説明責任を負い、世間の非難を一手に引き受ける形になっている。

 永山氏が、一企業である東芝だけでなく国家を思う人であるなら、経緯を「全て」明らかにして、経産省の官僚や関係者も含めて、「事実を明らかにした上で、一緒に然るべき責任を取りましょう」と責任の道連れにしてくださるとよいのだが、そうしようとしても官庁と官僚は責任から逃げるだろう。

 経産省幹部の官僚さん個人にとっては、長い官僚人生の「収穫期」に入っていて、本人にとって大事な時期なのだろう。そういうことだから、民間人にとって官僚は、「一緒にリスクを取ってくれる信頼できる相手」ではないことをよくわきまえておくべきだ。