某大手金融機関に勤めていた著者は、40歳で早期リタイアを考え始め、2019年に資産1億円を達成。51歳で早期リタイアを実現した。初の著書『【エル式】 米国株投資で1億円』では、FIRE(経済的自立と早期退職)の原動力となった米国株投資術を全公開。基礎の基礎から、年代・目的別の投資指南、最強の投資先10銘柄に至るまで、“初心者以上マニア未満”の全個人投資家に即役立つ米国株投資を徹底指南する。
米国株投資の基礎知識をわかりやすく伝えるため、Q&A形式で基礎の基礎からお伝えします。
Q 米国株はETFのみで、個別株に手を出さなくてもいいですか?
A 個別株とETFを上手に組み合わせてみてください。
米国株を対象とする多くの米国株ETFがネット証券などで買えます。
米国株ETFには豊富な種類があり、米国経済の強さと米国株の成長性を反映して上昇率の高いもの、また配当利回りが年利5%を超えるものもあります。
総じて日本株を対象とするETFよりも、米国ETFのほうが利回りが良いのです。
そうなると、自分で米国株の投資先をいちいち選ぶのではなく、米国株に広く分散投資するETFを買ったほうが話は早いと考える人もいるでしょう。
それはそれで1つの投資スタイルです。
実際、年代・目的別に米国株投資をシミュレーションするステップ4でも、米国株ETFをメインとした提案もあります。
それでも私は、ETFだけではなく、個別株投資もぜひ行ってほしいと考えています。
その理由は2つあります。
第1の理由は、選び方によっては、個別株投資のほうが米国株ETFよりも高い運用利回りが期待できるからです。
ステップ4の最後で語るように、私が選んだ個別株の「最強の10銘柄」の過去約10年の実績(トラックレコード)は年率20%を超えています。
ETFを超える利益を上げる個別株投資を試みるのが、米国株の醍醐味の1つです。
第2の理由は、ETFよりも個別株に投資したほうが、米国株投資が“わが事”となり、より自分に関係深いものだと思えるようになるからです。
ETFは数百・数千という個別株にバランスよく投資しています。
そこにはアップル(AAPL)やプロクター・アンド・ギャンブル(PG)といった銘柄も含まれていますが、ETFの保有銘柄のワン・オブ・ゼムにすぎないので、アップルやプロクター・アンド・ギャンブルに自分が投資しているという実感が得られにくいです。
ETFという看板ばかりが気にかかり、その中身を構成している個別株に興味が湧かなくなってしまうと、米国株に対する学びが得られるチャンスが減ります。
それが個別株に投資していると、投資している銘柄がメディアに登場するたびに情報を得て知識と経験値が積み重なり、投資家としての実力も向上していくのです。
「個別株+ETF」でポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を組むのがベストだと個人的には考えています。
ETFだけではなく個別株にも投資していれば、米国株へのリテラシーが高まり、ETFの選び方がより効率化できるからです。
私は現在、米国株:日本株に7:3の割合で投資しています。
米国株のうち、ETFは10%ほどであり、残りはすべて個別株となっています。
目安として、資金の半分を個別株、残り半分をETFというバランスで米国株投資をしてみるのも一手です。
ETFなら選び方次第では資産を大きく減らすリスクが避けられるので、株式投資から退場せずに米国株投資が続けられます。
投資を継続しているうちに実践的な学びが深まり、個別株でもETFでも利益が出せるようになるでしょう。
その段階であらためて個別株投資とETFの投資バランスを見直してみるのもよいと思います。