某大手金融機関に勤めていた著者は、40歳で早期リタイアを考え始め、2019年に資産1億円を達成。51歳で早期リタイアを実現した。初の著書『【エル式】 米国株投資で1億円』では、FIRE(経済的自立と早期退職)の原動力となった米国株投資術を全公開。基礎の基礎から、年代・目的別の投資指南、最強の投資先10銘柄に至るまで、“初心者以上マニア未満”の全個人投資家に即役立つ米国株投資を徹底指南する。

英語Photo: Adobe Stock

米国株投資の基礎知識をわかりやすく伝えるため、Q&A形式で基礎の基礎からお伝えします。

Q 英語がまったくダメですが、米国株投資はできますか?

A 英語で読み書きできなくても大きな障害にはなりません。

結論を先にいうと、英語がダメでも米国株投資は十分できます。

その理由は、大きく2つあります。

第1に、日本語でも米国株の情報が十分得られることです。

私が米国株投資を始めた十数年前とは違い、米国株投資が一般化するにつれてネット上には米国株の情報があふれるようになりました。

米国株投資のために証券口座を開けば、そこで米国株の情報が得られますし、米国株投資のポータルサイトとしては『Yahoo! ファイナンス』も重宝します。

気になる銘柄を検索窓に打ち込むだけで、最低限のデータが手に入ります。

書籍で得られる情報も増えました。

『米国会社四季報』では、主要な米国株の基礎的な情報がコンパクトにまとめられています。

米国株投資ブロガーの著書にも、役立つ情報がいろいろと掲載されています。

第2に、私が中長期投資をしているポピュラーな銘柄の情報は、日本経済新聞やNHKといった主要なメディアにとり上げられます。

逆説的にいうなら、日本の主要メディアがとり上げないような小さな情報では株価は大きく動かず、中長期的な投資判断に深刻な影響が及ぶような場面はおそらくないのです。

もしも英語が多少できるなら、図表にある3つのサイトが役に立ちます。

わからない英文は『DeepL 翻訳』(https://www.deepl.com/translator)などの翻訳サイトを活用すれば、かなりの確率で正しく翻訳できます。

情報サイト

英語で情報を得なくてもいいのですが、アメリカという国の経済の基礎的条件を示す「ファンダメンタルズ」には興味を持ってください。

ファンダメンタルズで売買の判断をすることはないとしても、米国株に投資するなら、米国経済がどうなっているかは、つねに気にかけておくべきなのです。

ダイエットするのに、体重や体脂肪率を気にするのと同じ感覚です。

ファンダメンタルズには、経済成長率(物価変動の影響を除いた実質GDPから計算し、3ヵ月ごとに米国商務省が発表)、雇用統計(米国労働省が毎月発表、非農業部門就業者数と失業率が注目され金融政策に影響を与えます)、貿易収支(アメリカからの輸出と輸入の差額を示し、米国商務省が毎月発表)、政策金利(米国連邦準備制度理事会FRBが決め、インフレの懸念があるときは利上げされ、景気が悪いときは利下げされる)などがあります。

この他、「ニューヨーク・ダウ」「ナスダック総合指数」「S&P500」などの主要な指数の値動きのチェックも習慣化するといいです。

米国経済の動きと株式市場がどのようにリンクしているかが、なんとなくわかるようになります。

これらのファンダメンタルズや指数は、日本語のメディアで容易に確認できます。