某大手金融機関に勤めていた著者は、40歳で早期リタイアを考え始め、2019年に資産1億円を達成。51歳で早期リタイアを実現した。初の著書『【エル式】 米国株投資で1億円』では、FIRE(経済的自立と早期退職)の原動力となった米国株投資術を全公開。基礎の基礎から、年代・目的別の投資指南、最強の投資先10銘柄に至るまで、“初心者以上マニア未満”の全個人投資家に即役立つ米国株投資を徹底指南する。
米国株投資の基礎知識をわかりやすく伝えるため、Q&A形式で基礎の基礎からお伝えします。
Q 日本とアメリカの時差は米国株投資の障害になりませんか?
A 中長期投資では時差の存在は大きな障害にはなりません。
東京とニューヨーク(アメリカ東部標準時)には14時間の時差があり、東京のほうが14時間進んでいます。
アメリカでは、毎年3月第2日曜日から11月第1日曜日までサマータイム(デイライト・セービング・タイム)となり、時差は13時間に縮まります。
サマータイムを夏時間、それ以外を冬時間と呼び、サマータイムが1年のうちの8ヵ月を占めています。
ニューヨーク証券取引所で取引が行われる「立会時間」は、現地時間の9時半から16時まで。
東証と違って昼休みはなく、通し営業をしています。
始まるのは夏時間だと日本の22時30分、冬時間だと23時30分、終わるのは夏時間だと日本の翌朝5時、冬時間だと翌朝6時です。
デイトレードのような短期投資なら、多くの日本人が寝ている間に取引されているニューヨーク市場の値動きに敏感になることが求められるかもしれません。
その間に大きな値動きが起こり、翌朝パソコンを開くと保有銘柄が暴落してビックリさせられることもあり得るでしょう。
これは俗に「おはぎゃー」といわれます。
朝起きて「おはよう」と同時に「ぎゃー」と驚かされるからです。
しかし、私が実践している米国株投資は短期投資ではなく中長期投資ですから、寝ている間の細かな値動きには気を配らなくてもいいです。
余談になりますが、日本株に近い感覚で値動きを見ながらリアルタイムで米国株を取引したいなら、ネット証券の「時間外取引」を利用する手もあります。
時間外取引を利用すると、日本時間の朝と夜で取引できる時間が合計5時間半も長くなります。
立会時間前の8時~9時30分(日本時間:夏時間で21時~22時30分、冬時間で22時~23時30分)には、プレ・マーケット(プレセッション)という時間外取引が行われています。
そして立会時間終了後の16時~20時にも(日本時間:夏時間で翌5時~9時、冬時間で翌6時~10時)、アフター・マーケット(ポストセッション)という時間外取引が行われています。
これはニューヨーク証券取引所の場合であり、ナスダックではプレが現地時間の4時~9時30分(日本時間:夏時間で17時~22時30分、冬時間で18時~23時30分)、アフターはニューヨーク証券取引所と同じです。
ちなみに、ナスダックはニューヨーク証券取引所のような立会場(取引を行う場所)はなく、電子取引オンリーです。
日本のネット証券では、マネックス証券が時間外取引を含めて24時間取引が可能です。
そのマネックス証券のホームページには、2018年7月23日の取引時間終了後、グーグルの親会社アルファベット(GOOGL)が4~6月期の決算発表を行った際の事例が紹介されています。
その決算が市場の予想を上回る好決算だった結果、アルファベットの株価が急騰したのです。
時間外取引ができていたら、このチャンスを捉えて利益が上げられたことも考えられます。
また、2020年11月16日の取引時間終了後、テスラがS&P500株価指数に新規採用された際、テスラ株が急騰した事例も紹介されています。