米議会の民主党と共和党の見解が一致している数少ない論点の一つは、国内の道路整備に数十億ドルを投じれば、生産性が向上し、米経済の成長見通しも押し上げられるというものだ。
経済学者らはそこまで確信がない。幹線道路への投資効果に焦点を当てたさまざまな研究によると、国内道路への大型新規投資が経済にもたらす長期的利益は、あるとしてもごくわずかだとされている。
こうした事業は、その発表時と実施期間中のいずれにおいても雇用と支出を一時的に喚起するが、経済の生産性、ひいては経済全体の成長余地を持続的に高める可能性は低いと、多くの研究者が指摘している。
というのも、米国にはすでに広大な道路システムが整備されているため、これ以上道路を増やしても生産性はそれほど伸びない、というのが経済学者の見解だ。
ペンシルベニア大学のジル・デュラントン経済学教授は「幹線道路は、短期的な押し上げ効果はあるものの、長期的な効果は疑わしいと思われる」と述べた。