現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
24万部のベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡健)
意外な読書体験「第3位」
――おすすめの本の「ベスト3」を聞きたいのですが、第3位はなんでしょうか?
ひろゆき氏:なかなか難しい質問ですね……。あえて挙げるなら、『コーラン』ですかね。日本語訳のものがいろいろあると思うので、どれを読んでもいいと思います。『コーラン』は、イスラム教における「聖書」のようなもので、イスラム圏の人の考え方の原典です。
キリスト教や仏教など、他の宗教の場合だと、宗派や解釈がかなり大きく違ったり、人によってさまざまな読まれ方をするんですが、『コーラン』はその幅が狭いんですよね。
「イスラム原理主義」という言葉をニュースなどで聞くことがあると思うんですが、それは『コーラン』に書かれていることを忠実に守っている人たちのことです。つまり、「たった1つの考え方」が存在していて、それが書かれているわけです。イスラム教については、日本人はイメージが一人歩きしてしまっていると思うんですが、一度はちゃんと原典を読んでみるといいと思いますよ。
別に、イスラム教を信仰しろということではなく、どんな考え方が根本にあるのかを知っておいたほうがいいし、それにより人生観も変わると思います。
――なるほど。意外な1冊でしたね。
ひろゆき氏:古くから残っている本は、全般的にいいと思いますよ。それなりに訳があって残っているんですから。新聞を読むくらいなら、本を読んだほうが絶対におすすめです。新しい情報なんて、ネットでサッと拾えばいいし。新聞に書いてある事件の知識とかは、99%役に立たないですから。
「第2位」はマイナーな1冊
――「第2位」はなんでしょうか?
ひろゆき氏:僕がよく紹介している本ですが、『コンテナ物語 ーー 世界を変えたのは「箱」の発明』ですね。「コンテナ」というのは、船や飛行機で運ぶ「箱」のことです。その発明が世界を変えたということが書かれています。
発明というと、電気とかインターネットとかのような「科学者による大発明」ばかりが目立ちますが、「ただの大きな箱ですら世界を変える」というところに意外性があるのを教えてくれるんですよね。
少し内容を説明すると、「コンテナ」ができたことで、世界的な「輸送コスト」が大きく下がったんですよね。それにより、安い人件費の国でモノが大量生産されて、先進国のものづくりがどんどん不況になっていきました。
たかが「箱」のせいで、世界的な経済に大きな影響を与えてしまった。その目の付け所にとても感動して「おもしれー!」と思ったんですよね。なかなか手に入らない本になってしまっていますが、ぜひ読んでみてほしいですね。