4-6月期の為替市場を振り返る
軟調だったドルは6月に再上昇
今年(2021年)7-9月期の為替相場を展望するため、まずは4-6月期の動きを振り返っておこう。
4-6月期は、1-3月期のバイデン米新政権下での大規模財政出動期待をうけたドル高の反動から、ドルが5月にかけて対欧州通貨を中心に反落した。
4月にカナダ中銀が国債買い入れペースをさらに減速させ、5月にはニュージーランド中銀(RBNZ)が2022年中の利上げ開始を示唆し、英中銀(BOE)が資産買い入れペースを鈍化させたりと、米国以外の国で金融政策正常化の動きが広がった。また、新型コロナウイルスのワクチン接種において、他国が米国をキャッチアップする展開となったこともあり、ドル以外の通貨が買われやすかったという側面もあった。
一方、米国では、大規模財政出動が市場で完全に織り込まれたため、3月30日に1.77%台へ上昇していた米10年金利は、一時1.4%割れへと低下し、追加的なドル買いが持ち込まれにくかった。
もっとも、6月には米連邦公開市場委員会(FOMC)でタカ派のサプライズがあったことから、ドルは再び上昇する展開となっている。