2人きりになってみればいい

ひろゆき氏:僕のことが嫌いな人がいるとしますよね。「テレビを見たら消す」「ネットで見たら閉じる」「Twitterの発言なんかもミュートにする」……。そうやって僕のことを遠ざけようとするでしょう。

 でも、もし、僕とその人が、エレベーターで2人きりになったり、飲食店で相席して2人になったとします。そして、何かを話さざるを得ない状況になって、ひと言か二言でも会話をしたとします。

 そうすると、絶対に、その人は僕のことが嫌いではなくなっていますから(笑)。

――自信がありますか?

ひろゆき氏:いや別に、相手のことを褒めたり、面白いことを言ったりするわけじゃないですよ。目が合って少しだけ会話する。それだけで、絶対にその相手のことは「嫌い」とは思わなくなります。人間はそういうもんですよ。「好き」とまではいかなくても、「嫌い」ではなくなります。これ、100人中100人がそうだと思います。

 どうでもいい芸能人とか政治家がいますよね。その人を街で見かけたときに、少しだけ会釈してくれたり、政治家だったら握手したりするとします。そうすると、その人のことを「嫌い」とは絶対に思えなくなります。もし、話しかけられたとしたら、「ファンです」「応援してます」って言っちゃうと思います。別にぜんぜんファンでもなんでもないのに(笑)。

たぶん「アンチ」にもニコニコしますよ

――言っちゃいそうです(笑)。

ひろゆき氏:学校生活でもそうだったはずです。いじめられっ子でまったく話したことのないやつと、たまたまグループを組まされたり、帰り道が一緒になったとき、相手から話しかけられたら、ちゃんと返しますよね?

 2人きりになると、無視したりいじめたりするハードルがグッと上がります。3人以上になると、1人を無視したり、いじめて笑い者にすることができるんですが、2人だとそれができません。

 世の中、そういうものなんだと思いますね。だから、僕のことをネットで叩きまくっていたり、文句を書き込み続けているアンチの人がいても、僕は気にしません。別に、いつかもしその人が目の前に現れても、絶対に殴ってきたりしませんから(笑)。

 むしろ、相手の顔を僕が知っていたとしたら、僕のほうからニコニコして話しかけるかもしれませんね。そして、ちょっとでも会話してみたら、もう僕の悪口は書き込まなくなるでしょう。それでも目の前で「嫌いだ!」と言う人がいるとしたら、僕は逆に会ってみたいですね(笑)。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。