IPOからわずか2日で中国の取り締まり対象に
最近、中国で話題を集めた会社といえば、大手配車サービスの「滴滴出行(DiDi、ディディ)」だろう。
中国をはじめ、15カ国、4000以上の都市で事業を展開している同社は、6月末にニューヨーク証券取引所でIPO(新規株式公開)を果たし、初値が公開価格を約19%上回る16.65ドルで、初日の終値は14.14ドルというスタートを切った。終値ベースの時価総額は685億ドル(約7兆6300億円)になり、44億ドル(約4900億円)を調達できた。
アメリカで上場した中国企業のなかで、2014年に上場したアリババが250億ドルと過去最高を記録したが、DiDiが調達できた44億ドルは、それに次ぐ過去2番目の規模となったわけだ。
2018年、米中貿易戦争が始まって以来、中国企業が米国市場を敬遠する傾向を強めているなか、DiDiの上場は久しぶりの超大型IPO案件だといえよう。しかし、上場からわずか2日後の7月2日に、中国のサイバースペース管理局(CAC)は中国全土において、DiDiの新規会員登録の停止、4日には同社のアプリケーションの削除、さらに9日には同社系列のアプリ25件全体の削除を命じた。決済サービス大手の支付宝(アリペイ)と微信支付(ウィーチャットペイ)などもDiDiへのアクセスを停止した。