中国の上場企業が恐れる「モノ言う投資家」の正体とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

中国でスタバをも凌駕する
コーヒーショップの仮面躍進

 中国のコーヒー市場にずっと前から関心を持っているため、これまで何度もコーヒーをテーマに記事を書いてきた。

 昨年6月20日に、当連載でもコーヒーのことを取り上げている。それは「中国のコーヒー店が『高くてまずい』から様変わりしつつある理由」という記事だ。多くのページを割いて、中国のコーヒービジネスのニューフェイスである「Luckin Coffee」(瑞幸珈琲)が巨大な資本を擁してコーヒー市場に参入することを紹介している。

 2017年10月に設立したLuckin Coffeeは、わずか14カ月でその店舗数を2000店まで拡大した。一方、スターバックスがこの店舗数になるまでには17年を要した。しかし、ここまでの規模になっても、Luckin Coffeeはまだ赤字の状態を続けている。

 なぜ赤字の事業をここまで大々的に進められるのかという疑問に対して、拙稿では「Luckin Coffeeの経営陣には、いわゆる『その道の達人』が入っているからだ」と資本ゲームの存在を指摘した。

 レンタカー会社である神州租車と神州優車の2社を創始した、神州優車集団COOの銭治亜氏などがそのプレーヤーだ。ちなみに神州租車も、一時時価総額が460億香港ドル(6530億円)にまで達したことがある。

 Luckin Coffeeは19年5月、設立からわずか18カ月という最短記録でナスダック上場を果たし、「資本の神話」を更新した。ナスダック上場によって、これまでに描いたシナリオはすべて確実に実現してきたというLuckin Coffeeは、2021年までに1万店の出店計画を打ち出した。

 メディアでは、「18カ月で上場を実現し、世界最速のIPO企業となった。わずか2年で中国全土に4507店舗をつくり上げ、スターバックスを抜いて中国最大のコーヒーチェーンブランドにのし上がった。7カ月で100億ドル以上の市場価値を獲得した」とその成功神話を謳歌していた。