ダイヤモンド決算報#不動産Photo:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は三菱地所や三井不動産など、不動産業界の5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

不動産大手5社の四半期売上高は
全て前年同期比減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の不動産業界5社。対象期間は21年1~3月期の直近四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・三菱地所
 増収率:マイナス9.5%(四半期の営業収益4297億円)
・三井不動産
 増収率:マイナス11.6%(四半期の売上高5395億円)
・住友不動産
 増収率:マイナス13.8%(四半期の売上高2116億円)
・野村不動産ホールディングス
 増収率:マイナス39.9%(四半期の売上高2073億円)
・東急不動産ホールディングス
 増収率:マイナス12.9%(四半期の売上高3152億円)

 大手5社全てが四半期増収率(前年同期比)はマイナスとなった不動産業界。一方で、一つ前の四半期に当たる20年10~12月では、三井不動産が前年同期比64.9%、野村不動産ホールディングスが同76.7%を記録しており、四半期増収率が大きく“乱高下”している企業もある。こうした変動の要因は何だったのか。次ページからは詳細の数字とともに解説する。