「一時的(transitory)」の期間をどう定義するか。3カ月か、1年か、それとも2年か。好奇心の強い人ならば、13日に6月の米消費者物価指数(CPI)が発表されたことを受けて、それを知りたいと思うだろう。CPIは前月比0.9%、前年同月比では5.4%それぞれ上昇した。従って、連邦準備制度理事会(FRB)が物価上昇を「一時的」と片付けていた意味は、経済的・政治的に以前より重要になっている。6月のCPI上昇率は、エコノミストらの予想の倍に近かった。これは安心感につながるものではない。インフレ動向を楽観している人々は6月の物価上昇について、いずれ沈静化する可能性が高い「特殊」要因によるものだとして軽視している。6月の統計では中古の乗用車・トラックの価格が前月比10.5%上昇し、CPIコア指数の上昇要因の約半分を占めた。自動車価格の上昇がこのペースを維持できないことは明らかだ。しかし、そうした説明は、4月に中古車価格が10%上昇した際にも耳にした。これは中古車の買い手である非富裕層の国民にとって安心できる状況ではない。