ポパラッチPoparazziのサイトより。Poparazzi(ポパラッチ)は、「友人があなたをパパラッチした写真のみ」がタイムライン並ぶ、新感覚の写真SNSだ

デザインカンパニーとして初の上場を果たしたグッドパッチ。今、もっとも勢いのあるデザインカンパニーの感性あふれるデザイナーたちの間で6月に話題になったアプリ、サービス、デザインの中から、今回は、日清カップヌードルの新形状フタ、Z世代からの人気急上昇中の写真SNS「ポパラッチ」、WHOが新型コロナウイルス変異株の名称をギリシャ文字に変更した理由、聴覚障害者向けの斬新なシステム「シースルーキャプションズ」の4つのトレンドを紹介します。

日清カップヌードルが「フタ止めシール」を廃止
新形状のフタの隠れた意図とは?

https://www.nissin.com/jp/news/9604

「カップヌードル」の「フタ止めシール」が廃止になります。

 日清食品は2021年6月4日、カップヌードルシリーズで採用されていたフタ止めシールの廃止を発表。代わりに、シールがなくてもしっかりとフタ部分を止められるよう、フタの開け口の部分を2つにした「Wタブ」へと切り替えます。

 さかのぼること37年、商品を識別するためのバーコードが印字された在庫管理用の紙製シールが、フタ止めシールの起源です。この紙製のバーコードシールでフタを止める消費者が増加。その後、技術の進歩によってカップに直接、バーコードを印字することができるようになったため、消費者のニーズに寄り添う形で、「フタ止め」機能に特化したプラスチック製のシールとなったのです。

 しかしこのフタ止めシールは、年間33トンものプラスチック原料を使用。そのため、地球環境に配慮し、プラスチック原料の使用量を削減すべく開発したのが、今回の新たな形状「Wタブ」のフタです。

 フタを止める機能は失わずに、プラスチック原料の使用量を削減。フタの形状を変えただけで、実利も残したまま環境にも貢献できる、サスティナブルな商品へと生まれ変わりました。

 おもしろいことに、日清食品のこの発表を受けて、「初めてフタ止めシールの存在を知った」といった消費者の声も。シールという形の場合、フタとシールで物理的な距離があったことで、消費者はその機能を認識しづらかったのかもしれません。

 今回、タブ(フタの開け口部分)が2つになったことで、「フタを止める」という機能が消費者へ直感的に伝わるようになりました。また、タブを折り曲げてカップに引っ掛ける仕組みによって、フタ止めがこれまでよりもスムーズになりました。

 SDGsの取り組みをはじめ、地球に優しい商品に関心を持つ消費者が増えています。日清食品の取り組みが、消費者が商品を選択する際のひとつの目安となれば、食品業界内のサスティナビリティーの加速化につながるかもしれません。