お金持ちはどんな行動パターンと思考様式を持っているのか?
お金持ちだけが知っている、真の豊かさの正体とは!?

お金持ちがしている100の習慣』ではそのような疑問に答える「お金持ちの行動パターンと思考様式」を解き明かしています。著者は国際的に活躍するイギリスのコーチング第一人者であり、数多くのクライアントにコーチングをおこなってきました。成功者の習慣についてまとめた『成功者がしている100の習慣』は6万5000部突破のベストセラーとなっています。
本書では、その経験から導き出したお金持ちに共通する100の習慣を紹介しています。
「あなたはなぜお金持ちになりたいのか」本書のアドバイスはこの問いからはじまります。しっかりと目標設定をし、紹介されている習慣を実践することが、お金持ち、そして真の豊かさへの近道です。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣を特別に抜粋し、お金持ちになる人、ならない人の思考や行動のパターンを解明。習慣のポイントだけでなく、どのように実践すればよいか、ワークなどをまじえ具体的な方法を紹介します。

英国の超一流コーチがたどり着いた<br />「お金持ちになる人」だけが即答できる質問とは?Photo: Adobe Stock

お金持ちになる人はいくら必要か明確で、
お金持ちにならない人ははっきりとした目標がない

「世のなかには富が溢れている。あなたは自分の取り分を手に入れることだけを目指せばよい」

「どれくらいの資産を手にすれば裕福になったと言えるのか」

これは、100万ドルの価値がある質問です。

正確には、これは「240万ドル」の価値がある質問かもしれません。というのも、2017年に金融サービス会社のチャールズ・シュワブが21歳から75歳のアメリカ人1000人に実施したインタビューによれば、回答者は平均して、経済的に十分に快適だと感じるには年収140万ドル、自分を富裕層だと見なすには年収240万ドルが必要だと考えていたからです。

また、給与ベンチマークサイト「emolument.com」による2017年の調査では、イギリスの平均的な20代の労働者は、年間9万3000ポンドを稼いでいれば自分が裕福だと感じると答えています。年齢が上がると、この数字は年収37万ポンドにまで跳ね上がります。

もちろん、これらの数字はその国の物価や生活費に応じて変化します。同じ調査で、インドの労働者は年収が2万5000ポンドあれば自分を裕福と見なすと答えています。そう、裕福さの基準についての万国共通の答えなどありません。重要なのは、自分にとっての裕福さが何かを明確にし、自分に合った経済的な目標を設定することなのです。

お金の格言
「どのくらいのお金があれば満足できるかは、人それぞれである」

実践しよう

■資産の目標金額を定める
私は『不思議の国のアリス』に出てくる、「どこへ行きたいかがわからなければ、どの道を選んでも同じこと」というセリフが大好きです。

一生懸命働き、貯金し、投資をすれば、誰でも今より裕福になれるでしょう。しかし、どれくらいの資産をつくればよいかをはっきりと定めているでしょうか? もしあなたの望みが「働くのをやめる」「世界中を旅行する」「慈善団体に寄付をする」「子どもたちに経済的な援助をする」といったことなら、そのためにいくらお金が必要なのかをわかっていますか?

夢のような生活を実現するためにはどれくらいの資産をつくる必要があるのか、大まかでもよいので計算をしておくべきです。これからの人生で、投資、支出、貯蓄にそれぞれどれくらいのお金が必要になるのかを考えてみましょう。

・支出が必要なものは何でしょう? たとえば、住宅、子どもの学費、医療費、毎年の旅行資金などが挙げられます。
・資産運用から1年間に得られる配当収入(労働収入以外の収入)の目標はどれくらいですか?
・これくらいの額があれば十分、という年収の目標を持っていますか?

正確な数字を導けなくても心配ありません。私自身も、はっきりとした目標額を算出するのは簡単ではないと感じています。そこで私は、自分の資産を毎年確実に増やし、資産を取り崩さずに生活できることを大まかな目標にしています。

■お金の専門家に相談する
自分の将来のお金に関する問題を考える際には、ファイナンシャルプランナー(FP)や独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)に相談するのがよいでしょう。専門家は、コンピューターのアプリケーションを活用してあなたの経済的な要件を明確にし、残りの人生で必要な資産を計算してくれます。

(本稿は、ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳『お金持ちがしている100の習慣』を抜粋、再構成したものです)

ナイジェル・カンバーランド(Nigel Cumberland)
作家、リーダーシップ・コーチ
1967年、イギリスのヨーク生まれ。ケンブリッジ大学卒業。世界最大級の人材サービス会社Adeccoや世界3大ミシン糸メーカーCoats plcで財務部長を務めた。シルクロード・パートナーシップの共同創立者。ロンドンとドバイを拠点に、同社を通じて企業幹部を対象にリーダーシップ・コーチングやメンターリングをおこなう。ハーバード大学メディカル・スクール付属コーチング養成機関の創立研究員でもある。これまで香港・ドバイ・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイで暮らし働いた経験から人生で成功するヒントを得た。これまでに出版した8冊の著書は、ドイツ・中国・ポルトガル・スペイン・ロシア・チェコ・スロバキア・ルーマニア・ドバイをはじめとする中東諸国・ブラジルなどの各国で翻訳されている。『成功者がしている100の習慣』(児島修訳、ダイヤモンド社)が日本でもベストセラーになっている。
児島 修(こじま おさむ)
英日翻訳者
1970年生まれ。立命館大学文学部卒業(心理学専攻)。訳書に『成功者がしている100の習慣』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(以上、ダイヤモンド社)、『やってのける』『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(以上、大和書房)などがある。