富裕層のカネと節税#予告編
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拡大する日本人の所得格差
富裕層はアベノミクスの恩恵 

「この5年間ぐらいは投資家にとって大きなボーナスステージだった。何だかんだいってアベノミクスの恩恵が大きい。共産党が『金持ち優遇策だ』と言っているが、まさしくその通りだと思う」

 そう言って笑うのは、首都圏にマンションなど数十棟の不動産を所有する富裕層の男性だ。

「『ミシュランガイド東京』の三つ星評価のレストランを全て制覇した」「一回着席するだけで20万円の銀座のクラブに通っている」。投資家の集まりに顔を出せば、そんな景気のいい話を耳にしたことは一度や二度ではない。デフレや賃金の伸び悩みで、日本の貧困層は増え続けているのにもかかわらず、である。

 富裕層の拡大は、統計上も明らかだ。

 野村総合研究所の推計によれば、預貯金、株式、債券、投資信託など純金融資産保有額1億円以上の富裕層は2017年時点で127万世帯、資産規模は300兆円に上る。

 全世帯のわずか2%強が国内個人資産の2割を保有する計算だ。08年のリーマンショックで富裕層は一時的に減少したが、冒頭の男性が指摘するようにアベノミクスが本格化した13年以降、富裕層の世帯数と資産規模は増加の一途をたどる。

 この要因について野村総研コンサルティング事業本部の宮本弘之パートナーは「アベノミクスによる景気拡大と株価上昇で富裕層の保有資産が拡大したことに加え、純金融資産保有額1億円未満の準富裕層が富裕層に移行したことが大きい」と分析する。

 つまり金融資産に投資する財力を元々持ち得た富裕層がさらに富を増やし、株や不動産などによって一代で財を成した「成り上がリッチ」を生み出したのが、アベノミクスの実態というわけだ。

 ちなみに成り上がリッチとは、プロスポーツ選手をはじめ不動産投資で成功した「不動産リッチ」や「IPO長者」、「ビットコイン富豪」らを指す造語である。

 彼ら彼女らと対をなす存在と言えるのが、富裕層である親や祖父母から遺産相続や生前贈与を受けた「親リッチ」で、近年その層が増えていることも富裕層の増加を後押ししている。

 富裕層世帯の平均的な出生数などから推計すれば、全国の親リッチは現在235万人。「隠れた消費のけん引役」とされる親リッチの増加という商機を生かすべく、銀行や証券会社、百貨店の外商などは親リッチたちの取り込みに大きく動き始めている。

 ダイヤモンド編集部は今回、成り上がリッチや親リッチたち、それを取り巻く関係者へ取材し、彼らの生態解明を試みた。特集「富裕層のカネ・節税」で、1月20日(月)~26日(日)の全15回にわたってその成果をお届けする。

#01 1月20日(月)配信
富裕層20人の知られざる「稼ぎ方&節税法」、私はこうして財を成した!【アンケート前編】

富裕層のカネと節税#1
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 多額の資産を持つ日本の富裕層はいかにして富を手にし、それをどのように守っているのかーー。そんな疑問を解明すべく、ダイヤモンド編集部は2019年12月、対面やメールを通じて独自アンケートを実施した。そこから浮かび上がった彼らの知られざる「生態」を紹介する。

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#02 1月20日(月)配信
純資産1億円超の富裕層が明かす、資産形成「驚愕の手口」【匿名座談会・前編】

富裕層のカネと節税#2
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 成り上がリッチたちは常人にはない運と行動力を持ち合わせて富を形成する。2020年1月、純資産1億円超の富裕層5人がダイヤモンド社に集まり、匿名の座談会を開催。そこで語られた驚きの成り上がりストーリーとは……。

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#03 1月21日(火)配信
年収600万だが株の配当で年2億、「親リッチ」たちの財布の中身

富裕層のカネと節税#3
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 成り上がリッチの対極となる存在が、地主や開業医といった先祖代々続く伝統的な富裕層だ。その子供である「親リッチ」は、自らの収入は少なくても、恵まれた環境の中で同世代とは異次元の生活を送っている。親リッチの知られざる生態に迫った。

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#04 1月21日(火)配信
富裕層20人が本音で明かす、金融機関「付き合う・付き合わない」の一線【アンケート後編】

富裕層のカネと節税#4
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 資産運用会社や証券会社の営業マン、プライベートバンカー……。大口の運用資金を狙い、富裕層の元には多くの金融関係者が群がる。そんな彼らを当の富裕層たちはどのように見ているのか。富裕層に好かれる金融機関、嫌われる金融機関を調査した。

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#05 1月21日(火)配信
「10億円あっても足りない」、富裕層が抱える不安の深層【匿名座談会・後編】

富裕層のカネと節税#5
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 富裕層の座談会後半は、金融機関との付き合い方やお金の使い道、日本経済の成長見通しへと話題が広がった。富裕層たちは数億円規模に達する手元資金をさらに膨らませるべく、投資の手を緩めることをしない。

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#06 1月22日(水)配信
社長が住む街ランキング2020【東日本編】東京都2位は西新宿、1位は?

富裕層のカネと節税#6
Photo:Ko Hong-Wei/EyeEm/gettyimages

 上場企業から中小企業のオーナーまで、経営者たちが住む地域は一体どこなのか。大手信用調査会社、東京商工リサーチの協力を得て、約380万社の企業データベースから作成した都道府県別のランキングを大公開! まずは東日本編をお届けする。

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#07 1月22日(水)
富裕層の間で密かに広がる節税術、「太陽光×マイニング×不動産小口化」

富裕層のカネと節税#7
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 国が中小企業支援のため制定した中小企業等経営強化法と、空き家問題解決のため制定した不動産特定共同事業法。二つの制度を活用した、知る人ぞ知る富裕層向けの節税方法がある。それが「太陽光発電×マイニング」と「不動産小口化」だ。その仕組みを徹底解説していこう。

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#08 1月23日(木)配信
社長が住む街ランキング2020【西日本編】大阪府2位は福島区福島、1位は?

富裕層のカネと節税#8
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 上場企業から中小企業のオーナーまで、経営者たちが住む地域は一体どこなのか。大手信用調査会社、東京商工リサーチの協力を得て、約380万社の企業データベースから作成した西日本地域の府県別のランキングを大公開!

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#09 1月23日(木)配信
富裕層向け「節税保険」の抜け道商品登場、国税庁の網をすり抜け拡大中

富裕層のカネと節税#9
Photo:NiseriN/gettyimages、WichienTep/gettyimages

 節税効果の高さをうたい、中小企業で一大ブームが起きた法人定期保険。昨年、国税庁の規制強化でつぶされたかに見えた「節税保険」市場で、法の抜け道をかいくぐるような新商品が登場し、じわりと広がり始めている。

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#10 1月24日(金)配信
富裕層争奪戦が開幕!メガバンク・野村證券・外資、仁義なき三つ巴の戦い

富裕層のカネと節税#10
Photo:Diamond

 低金利環境で構造不況に陥ったメガバンクは今、資産承継に悩む経営者の急増を追い風に、富裕層ビジネスに注力している。競合は主幹事という太いパイプを持つ野村證券、そして古豪の外資系プライベートバンクだ。富裕層を巡る三つ巴の争奪戦が幕を開けた。

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#11 1月24日(金)配信
資産数百億円!?ココイチ創業者の宗次氏「贅沢な暮らしをしたいと全く思わない」

富裕層のカネと節税#11
Photo by  Mikio Usui

 資産が数百億円にも上る「超富裕層」は、お金に対しどのような哲学を持ち、またどのような生活をしているのか。カレーチェーン「CoCo壱番屋」の創業者で、現在はNPO法人代表として福祉活動に汗を流す宗次(むねつぐ)徳二氏に聞いた。

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#12 1月25日(土)配信
富裕層vs国税、徴税を巡る終わりなき「いたちごっこ」最新事情

富裕層のカネと節税#12
Photo by Takeshi Shigeishi

 富裕層にとって最大の難敵といえば、税務当局に他ならない。国税庁はこの数年間、海外への税逃れを防ぐべく、さまざまな策を講じている。税から逃れる者と追う者の戦いが終わることはない。

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#13 1月25日(土)配信
最後の長者番付「2004年高額納税者名簿」トップ100人を大公開!

富裕層のカネと節税#13
Illustration by Yoshitomo Nara

 かつて国税庁が公表していた高額納税者名簿。個人情報保護などの観点から廃止が決まり、最後となった2004年分の全国ランキングトップ100は一体どんな顔触れだったのか。振り返ってみよう。

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#14 1月26日(日)配信
富裕層が資産管理会社をアップデート!広がる欧米流投資手法の内実

富裕層のカネと節税#14
Photo:Yuichiro Chino/gettyimages

 企業オーナーなど超富裕層に欠かせないのが、一族の資産を保全、運用する資産管理会社だ。数百億円規模を超えると運用責任者を専属で置くケースもある。欧米ではファミリーオフィスとも呼ばれるその形態が広がっている。不動産からジェット旅客機まで幅広く投資する、知られざる実態とは。

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#15 1月26日(日)配信
一代で資産数千億円をつくったアパ元谷夫妻が語る「同族経営の強さ」

富裕層のカネと節税#15

 資産が数千億円にも上る「超富裕層」は、お金に対しどのような哲学を持ち、またどのような生活をしているのか。ホテル、マンション事業で業容を拡大させているアパグループの元谷外志雄代表と、アパホテルの元谷芙美子社長の2人に聞いた。

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