19日の米国市場は株安・債券利回り低下・原油安の展開となった。2021年に大幅高となった各市場のけん引役である世界経済の回復力を投資家が疑問視しつつあることが、かつてないほど鮮明になった。ダウ工業株30種平均は前週末比725.81ポイント(2.1%)安の3万3962.04と、昨年10月以来の下げとなった。一方、10年物の米国債利回りは2月以来の水準まで低下(価格は上昇)した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物は7.5%安に沈んだ。投資家によると、大荒れ相場となった背景には景気回復の「不安材料リスト」が増えたことにある。新型コロナウイルス変異株「デルタ」の感染が急拡大し、複数の国で再びロックダウン(封鎖措置)や活動制限を導入すべきかが議論される事態となっている。一方、インフレ率は多くが想定していた以上に加速している。米中関係の緊張化は、米国で上場した数兆ドル相当の中国企業に圧力をかけている。