いよいよ夏本番。梅雨明けの猛暑に体調がイマイチな人も多いだろう。寝ても疲れが取れない、ちょっとしたことですぐ不安になる、自分だけが取り残されているように感じる……という人にぜひ読んでほしいのが、2021年4月14日に発売後、ネット書店、リアル書店で売り切れが続出、発売3ヵ月で5万部を突破した『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著 藤田麗子訳)だ。
読者からは「号泣した」「このタイトルは私そのもの」「すべての文章が刺さった」「大切な人にプレゼントしたい」と共感・絶賛の声が相次いでいる。
著者のクルベウ氏は事業に失敗し、自分を励ますためにSNSに投稿していた癒しの言葉が多くの共感を集め、2015年に作家デビュー。処女作『心配しないで』はBTSのファン感謝イベントでJ-HOPEから「メンバーのJINにおすすめしたい本」として紹介され、ファンの間で「BTSおすすめの作家」として話題に。クルベウ氏は韓国では著書累計55万部を突破するなど、「韓国のSNS作家として一番人気」との呼び声も高い。
「自分らしく、豊かに生きるためのメソッド」が詰まった本書。今回は、日本版好きなことを見つけるには?」から、一部抜粋・編集して紹介する。

【「疲れた心を癒してくれる」と話題のエッセイ!】自尊心を高める実質的な方法とは?Photo: Adobe Stock

「自分の好きなこと」に時間とお金を使おう

好きなことを見つけるためには、多くの経験を積まなければならない。
たくさんのことを経験すると、あとから振り返ってまた出会いたくなるものが出てくる。
それが、自分の好きなことだ。

好きなことを見つけるには、時間とお金が必要だ。
この2つがあれば、新しいことを経験できる。

しかし、せっかく時間とお金を使ったのに、あまり気に入らなかった場合、多くの人は時間やお金がムダになったと悔やみ、投資することをためらうようになる。
そして、挑戦しなくなってしまう。

しかし、それは失敗や浪費ではなく、好きなことを探すために必要なステップだ。

本当に好きなことを探すには、試してみたものの好みではなかったという時間を、何度か過ごさなければならない。
それが“経験”であり、この経験を通して、好きなことを見つけられるようになる。

好きなことを探したいという意志があったとしても、時間とお金が足りなければ新しいことを試すのは難しい。
それでも、他の人と比較するのではなく、自分が使えるぶんだけの時間とお金を費やせばいい。
焦る必要はまったくない。
好きなことを見つけるのは競争ではないから。

幸福は“幸せでいなきゃ”という思いから生まれるわけではない。
嫌なことばかりでつらいとき、“ポジティブに考えなきゃ”“幸せでいなきゃ”と思ったからと言って幸せにはなれない。

幸せは出会いによって生まれる。
ここでの“出会い”とは、どんなにささやかであろうと自分が好きだと思える時間を持つことだ。

そのためには自分が好きなことを知ろう。
そうすれば、すぐにはできないとしても、大変な時期が落ち着いたら始めよう、という希望を持つことができる。

今、好きなことがいくつかあるかもしれないし、1つかもしれない。
新しく好きなことが見つかるときもある。
好きなことというのは、それに向き合っている間、幸せだと思えるものだ。

人生において、好きなことは絶対になければならないのかと聞かれたら、私はイエスと答える。

自分が好きなものが何なのかわからないとしたら、いったい誰の人生を生きているのだろうか。
自分のために生きるとは、好きな人生を生きていくために努力することなのだ。

また、やったこともないのに、気に入るだろうと想像しているものを本当に好きなものなのだと
勘違いしてはいけない。

私は好きなものが多いのに、なぜ憂うつなんだろう?
そう感じるとしたら、好きという気持ちは錯覚だ。
実際にやったことがなければ、好きなのかそうでないのかわからない。
体験してはじめて知ることができる。

体験したことがないのに好きだと思うなら、本当に好きなのではなく、気に入るだろうと想像しているにすぎない。

どんなに小さくてささいなことであっても、好きなことをしていると、自尊感情が高まる。
周囲に振り回されずに、自分の世界をつくることができる。
自尊心を高めるための実質的な方法は、自分が好きなことを探すために、時間とお金を有意義に使うことだ。

たとえ気に入らなかったとしても、失敗ではなく、いい経験になったと受けとめて、自分のために生きていこう。

(本原稿は、クルベウ著 藤田麗子訳『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』から一部抜粋・改変したものです)

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