現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
29万部を超えるベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
体育会が生む「負の連鎖」
――オリンピックが始まって、スポーツ選手の活躍に感動する場面が増えています。
ひろゆき氏:あまりイメージがないかもしれませんが、僕も体育会系の部活に長く入っていた経験があるので、スポーツ選手の頑張りには一目置いてますよ。
体育会系の人たちって、上下関係を重んじるので、その後の就職なんかも有利ですよね。商社やマスコミの会社にも多いです。理不尽に対する免疫があるんですよね。上からの無茶振りにも耐えますし、それを疑うことをしない人もいます。
基本的には良いことが多いように見えます。ただ、1つだけ気になる点はあるんですよね。
――なんでしょうか?
ひろゆき氏:体育会系で養われる「忍耐」が、自分自身にだけ向いている場合は無害なんですが、他人に押し付けてしまうと、いわゆる「パワハラ構造」になります。
上からの重圧に自分が耐えるのは勝手に頑張ってもらえればよいのですが、「我慢したから、次はやり返す」というように考えてしまうのはよろしくない。
――先輩・後輩の関係は連鎖すると言われますよね。
ひろゆき氏:自分が苦労しているときに、「楽している人」がどう見えるかが大事です。「うらやましい」「自分もそうなりたい」と表面だけを見るのか、「いや、彼らもたぶんつらいはずだ」と見えない部分を想像するのか。
表面しか見ない人は、「やり返す」「同じ分だけ苦労してもらう」といった考え方をしてしまいます。
――連鎖を止めるには、どうすればいいですかね?
ひろゆき氏:僕がよく他人に言っているのは、「頑張りを見えるようにする」ということです。見えないところで頑張るタイプの人は、承認欲求がないのなら別にそのままで大丈夫です。しかし、人から認められたいタイプなのであれば、頑張りは見えるようにしたほうがいい。
頑張りアピールって、SNSなんかではウザがられたりするんですが、それでもやっといたほうがいいと思います。アイドルや芸能人も、努力の過程を見せる時代ですから。見えることに越したことありません。
日本人は我慢が大好き?
――体育会系に限らず、日本人全員にも言えることなんでしょうか。
ひろゆき氏:基本的に、社会は「楽になるべき」と僕は思っています。だから、痛みや苦労は少ないほうがよい。でも、「痛みを我慢したその先に大きなご褒美が待っている」という信仰が多いですよね。宗教も、学校も、会社も。
たとえば、「おなかを痛めて産んだ赤ちゃん」という表現があります。痛みを我慢したら、その分が愛情に変わるという。これだって、いわば「宗教」のような考えです。
無痛分娩を用いて、痛くないようにしたほうがいいに決まっています。それなのに、古い考えの人は、「私はそんなことをしなかった」と言い出します。
――考えが古い人には、どう反論すればよいでしょうか?
ひろゆき氏:簡単ですよ。その人が楽することを認めないようにすればいいだけです。
「掃除機ではなく、ほうきを使わないんですか? 濯機ではなく、洗濯板を使わないんですか? そうやって昔の人は苦労していましたけど、あなたはしないんですか?」などと言い返せばいいでしょう。
「だって楽だから……」という言葉が聞けたら、「じゃあ、○○だって認めたほうがいいですよね?」と言い返せます(笑)。ぜひ、みなさん、ムダな苦労や我慢を強いる人たちと戦ってみてください。
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本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、29万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。