ジョー・バイデン米大統領は就任時、新型コロナウイルス感染拡大の克服、経済成長の促進、そして、数兆ドル規模の新たな歳出について議会から承認を受けることを目指していた。だが就任から半年が経過した今も、この3つの大きな目標は困難な状況に置かれている。米国内では新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」の感染拡大や、一部にあるワクチン接種への抵抗により、感染件数や入院患者数は増加傾向にある。またパンデミックが広まることへの懸念から金融市場は混乱し、物価も上昇。長期的なインフレに対する警戒も高まっている。さらに超党派議員によるインフラ投資計画や民主党による歳出法案は現在も交渉の真っただ中にあり、法案が署名のためバイデン氏の机に届けられるのは当分先になる見通しだ。