お金持ちはどんな行動パターンと思考様式を持っているのか?
お金持ちだけが知っている、真の豊かさの正体とは!?

お金持ちがしている100の習慣』ではそのような疑問に答える「お金持ちの行動パターンと思考様式」を解き明かしています。著者は国際的に活躍するイギリスのコーチング第一人者であり、数多くのクライアントにコーチングをおこなってきました。成功者の習慣についてまとめた『成功者がしている100の習慣』は6万5000部突破のベストセラーとなっています。
本書では、その経験から導き出したお金持ちに共通する100の習慣を紹介しています。
「あなたはなぜお金持ちになりたいのか」本書のアドバイスはこの問いからはじまります。しっかりと目標設定をし、紹介されている習慣を実践することが、お金持ち、そして真の豊かさへの近道です。
この連載では、本書に紹介されている100の習慣を特別に抜粋し、お金持ちになる人、ならない人の思考や行動のパターンを解明。習慣のポイントだけでなく、どのように実践すればよいか、ワークなどをまじえ具体的な方法を紹介します。

お金持ちが実践している「無駄遣いをやめる習慣」Photo: Adobe Stock

お金持ちになる人は細かな支出にも目を配り、
お金持ちにならない人は財布の紐が常に緩んでいる

「パンクの原因になるタイヤの小さな穴は、すべて見つけ出して塞がなければならない」

あなたの銀行口座から、お金が少しずつ漏れているとしましょう。たいした額ではありませんが、毎日数ドルか数ポンド、減っていくのです。パニックになるようなことではありませんが、「塵(ちり)も積もれば山となる」で、長い年月が経てば大金になります。

これは、実際にあなたの銀行口座で起きていることではないでしょうか? そう、私たちは誰でもお金を浪費しています。どうでもいいことや、使わないものを買うことに、完全な免疫がある人などいないのです。

こうした無駄遣いは、たいていはわずかな金額です。しかし、資産を形成するという大きな目標を目指すとき、こうした無駄な出費を減らすことをおろそかにしてはいけません。「これくらい、たいしたことはないだろう」という感覚が、大きな損失につながってしまうのです。

お気に入りのコーヒーショップの前を通ったときは、その店でコーヒーを買ういつもの習慣が、長い目で見たときにどれくらいの出費になっているかを考えてみましょう。

1日単位で見れば小額でも、1年トータルで考えるとかなりの額になることがわかるはずです。コーヒーを我慢してまとまったお金をつくれば、それはあなたが経済的な目標を達成するために大きく役立つ資金になるかもしれません。

月に2、3回しか利用していないスポーツジムに払っている月会費や、ほとんど目を通していない雑誌の定期購読費なども同じです。

お金の格言
「富は、わずかなお金の漏れで流出していく」

実践しよう

■ぜい肉を落とす
支出を見直しましょう。まず、毎月の口座引き落としの明細をよく確認してみましょう。無駄な支出があれば、それらをカットします。

毎日、自分が何にお金を使っているかに意識的に目を向けてみましょう。不要なものを日常的に買っているのなら、その習慣をやめましょう。不要なサブスクリプションも整理しましょう。

■モノの棚卸しをする
自分が持っているモノをすべて見直してみましょう。自分の持ち物の半分も把握していない人も多いのではないでしょうか。きっと、売ったり譲ったりできるモノが見つかるはずです。買おうと思っていたモノを、すでに持っていたと気づくこともあるでしょう。

このように持ち物の総点検をすれば、お金の節約になる小さな発見がいくつもあるはずです。

■衝動買いを抑える
誰でも、衝動買いをしたくなるものです。しかし、それはあまり良い買い物にはならないのが一般的です。

セールが終了しそうになっているときなどは、「今買わないと」というプレッシャーを感じてしまいます。しかし何かに急かされるような気持ちでモノを買っても、結局は「無駄だった」と後悔してしまうケースがほとんどです。たとえば、宣伝文句に釣られて高速インターネットを契約したが、通信速度はほとんど変わらなかったといった経験は多くの人にあるはずです。

銀行系のアプリには、口座の状況を直感的にわかりやすく見せてくれるものがあります。他にも、お金を管理するための便利なアプリがありますので、いろいろと試してみましょう。

この機会に、ぜひあなたの買い物の習慣を見直してみましょう。

(本稿は、ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳『お金持ちがしている100の習慣』を抜粋、再構成したものです)

ナイジェル・カンバーランド(Nigel Cumberland)
作家、リーダーシップ・コーチ
1967年、イギリスのヨーク生まれ。ケンブリッジ大学卒業。世界最大級の人材サービス会社Adeccoや世界3大ミシン糸メーカーCoats plcで財務部長を務めた。シルクロード・パートナーシップの共同創立者。ロンドンとドバイを拠点に、同社を通じて企業幹部を対象にリーダーシップ・コーチングやメンターリングをおこなう。ハーバード大学メディカル・スクール付属コーチング養成機関の創立研究員でもある。これまで香港・ドバイ・ブダペスト・サンチアゴ・上海・ドバイで暮らし働いた経験から人生で成功するヒントを得た。これまでに出版した8冊の著書は、ドイツ・中国・ポルトガル・スペイン・ロシア・チェコ・スロバキア・ルーマニア・ドバイをはじめとする中東諸国・ブラジルなどの各国で翻訳されている。『成功者がしている100の習慣』(児島修訳、ダイヤモンド社)が日本でもベストセラーになっている。
児島 修(こじま おさむ)
英日翻訳者
1970年生まれ。立命館大学文学部卒業(心理学専攻)。訳書に『成功者がしている100の習慣』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(以上、ダイヤモンド社)、『やってのける』『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』(以上、大和書房)などがある。