世界の石油大手はかねて、炭素排出量を削減する手法として水素エネルギーに注目してきた。だが足元では、目標をどう実現するのか、格闘する日々が続いている。英BP、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル、仏トタルエナジーズは、一部は政府支援の後押しを受け、巨額を投じて水素エネ開発を目指す考えだ。化石燃料からの脱却が求められる時代において生き残りの道を探る。再生可能エネから作られた水素は、二酸化炭素(CO2)を排出せずに生産・利用することが可能だ。だが、水素が期待される用途に応用されるまでには、さまざまな障害があると指摘されている。まず現時点では、水素の大半が天然ガスなど化石燃料から作られている。代わりに再生可能エネを使うには、産業レベルの規模で生産され、コストを圧縮する必要がある。また水素は爆発性があり、保管や輸送にも困難が伴う。
脱炭素目指す石油大手、グリーン水素も前途は多難
有料会員限定
あなたにおすすめ