リモートワークを進める企業が多い中、従業員の運動不足やコミュニケーション不足を補う福利厚生が増えている。専用アプリを使ったウオーキング施策、オンラインでのランチ会、さらには、大規模な社内eスポーツ大会を行う企業も。リモートワークならではの福利厚生を取材した。(フリーライター 有井太郎)
凸版印刷が開催した
従業員5万人参加のイベント
まず取り上げたいのが、凸版印刷が2021年に初開催したeスポーツによる社員参加型の大規模イベント「TOPPAN eSPORTS FESTIVAL2021」。凸版印刷およびグループ会社の従業員5万人とその家族、また2021年卒の内定者を対象とした施策である。
2021年1月24日に行われたこのイベントは、大きく「eスポーツ競技大会」と「エンタメコンテンツ」の二つで構成されたという。
「eスポーツ競技大会では、2つのゲームタイトルでトーナメント戦を実施。2020年12月〜2021年1月に全国48拠点で予選を行い、各地の予選を勝ち抜いた15エリア16チームの代表選手たちと各エリアの幹部たちが、イベント当日に決勝トーナメントを戦いました」(凸版印刷 広報)
トーナメント対象となったゲームタイトルは、『ストリートファイターV チャンピオンエディション』と『eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE』の二つ。当日はトーナメント戦のほか、中国会場(上海)とつないだ“国際エキシビジョンマッチ”も開催されたという。
福利厚生でノウハウを蓄積
eスポーツの運営をサービス化
「もうひとつのエンタメコンテンツは、ゲームやeスポーツに興味のない方も楽しめる企画。オンラインクイズ大会やタレントの方によるトークライブ、親子で参加できるオンラインワークショップなど、参加型コンテンツを並行で実施しました」(同)
当日は、それぞれの模様をYouTube中心に配信。eスポーツ競技大会の予選会には、全国で1000人近い従業員が参加。また、イベント後に全従業員へ行ったアンケートでは、約8割が「満足した」と回答し、「リアルで開催していた従来のイベントより良かった」と答えた割合は半数を超えたという。