デジタル課税Photo:PIXTA

多国籍企業の課税逃れ対策
130カ国・地域が大枠合意

 OECD(経済協力開発機構)加盟国を含む130カ国・地域が国際的な法人税改革で大枠合意に達した。

 合意は2つの柱からなる。第一は、巨大IT企業などが、法人税率が低い国に子会社を置くこと等で税逃れをすることを防ぐため、課税を強化すること、いわゆるデジタル課税の導入だ。

 もう一つは、最低法人税率を「少なくとも15%」とすることだ。

 まだ完全合意には至っていないが、最終合意に向けた機運は着実に高まっている。

 過去10年あまり議論が続いてきた「難題」が歴史的合意に近づくことになったのは2つの要因が後押しした。

世界で100社程度が新制度の対象に
日本企業への影響は少ない

 大枠合意の内容は、7月9日からイタリアで開かれた主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議に報告された。

 交渉に参加した139カ国・地域のうち、法人税率が低いアイルランドなど複数国はまだ合意しておらず、また、最低法人税率の具体的な水準も決まっていないが、これまでの交渉の難航を考えれば大きな前進だ。