親が子の教育に充てる「時間」で格差が拡大!コロナ休校は「子どもに負の影響」Photo:PIXTA

 新型コロナウイルスによる休校は、子どもたちの教育格差に影響を与えているという。AERA 2021年8月2日号で、教育経済学者・中室牧子さんに話を聞いた。

*  *  *

 コロナ禍以前から、親の収入による子どもの学力の「格差」は存在していました。お金というリソースだけでなく、「親の教育熱心さの差」によっても差がもたらされるということを示した研究もあります。保護者のリソースや価値観によって、子どもの学力格差が拡大したことを示す調査や研究がこれまでも多く発表されています。私はこうしたものに加え、保護者が子どもの教育に充てられる「時間」も格差を拡大させる原因ではないかと考えています。

 コロナ禍以前の海外の臨時休校に関する研究では、低学年の子どもの学力に与える負の影響が大きいことが示されています。低学年の間は先生や親が不在だと、自立的に勉強することが難しいということです。