無駄に怒らないための2つの方法写真はイメージです Photo:PIXTA

怒りにまみれた
東京オリンピック

 こんなにも怒りにまみれたオリンピックになるのは、歴史上珍しいのではないでしょうか。

「コロナ禍の中で緊急事態宣言が出ているのに開催するのか」と人が怒り、開催するとなったら「開会式の演出チームの選定が不適切だ」と怒る。また、バッハ会長の宿泊代、開会式の挨拶の長さに怒ったかと思えば、手のひらを返したようにオリンピックを称賛するメディアの姿勢に怒り、アスリートの発言や態度が気に食わないとも怒る。

 感心するくらいに怒りが連鎖し、途切れることを知りません。

 長らく停滞をしている日本にとっては1964年のオリンピックを再現し、あの時の勢いを取り戻したいという思惑が多分にあったと思いますが、むしろ社会を怒りにより大きく分断させ、オリンピック後に禍根だけを残したという残念な結果になることが容易に想像がつきます。

 オリンピックが開催されても、されなくても、世の中の怒りはそれほど変わらなかったであろうと考えています。オリンピックを開催しても、しなくても怒る人たちはいるのですから。

 なぜ今、世の中はこれほどまでに怒りに満ちているのでしょうか。それは怒りが生まれるメカニズムを理解すれば納得します。今回は人の怒りが生まれるメカニズムの理解を通じ、無駄に怒りに振り回されないヒントになれば幸いです。