今大会で初めて世論がまとまった?

 個人的に共感したのは「河村たかしのワンプレイで、割れてた日本が一つになったな。」(参照、8月4日)という投稿。

 57年ぶりの東京開催でありながらコロナ禍、大会を誘致した方々が次々と去る「呪われ」っぷり、開会式をめぐるゴタゴタなど。開幕直前のアンケートでも開催反対が半数超えだった今大会。

 世論は真っ二つに割れ、それでなくても言説が極端になりやすいネット上では五輪開催を支持するかしないか、それぞれの立場の人が主張を繰り広げていた。

 それがどうだろう。メダルかじり事件については、批判一色。今回の五輪をめぐるさまざまな事象の中で、世論がこれほど一致したことはないのではないだろうか。

 今大会では、スケートボードでメダルを獲得した西矢椛選手と中山楓奈選手の「ラスカル」発言にまつわるちょっとした騒動は大変ほほ笑ましく、多くの人が和んだ(2人が「ラスカル」について話していたと報道があり、ネット上ではラッパーやYouTuberなど、どの「ラスカル」なのかが議論された。結果的にまさかのアニメ「あらいぐまラスカル」だったと判明)。

 一方で、人々がもっとも一丸となれるのはネガティブな感情を共有したときなのかもしれない。

 割れていた世論をまとめた。その意味では河村市長は今大会の陰の功労者と言えるかも……というのは冗談として、ここまで批判を集めているのは、このニュースにたくさんの要素が詰まっているからだろう。ここからは、その要素を分析して行きたい。